この問題を解き明かします。
本記事の内容
- 価格競争とは?
- なぜアマゾンで価格競争が起こるのか?
- アマゾンで価格競争を避けるためには
本記事を読んだからと言って価格競争に巻き込まれなくなるわけではございません。
しかし、価格競争が起こるメカニズムを理解することで他販路の重要性・アマゾンでの戦略がわかってきます。
最近のアマゾンは参入者の増加も相まって価格競争が激化していますよね。
この状況は我々せどらーにとって非常に由々しき問題なのでしっかり頭に入れておきましょう。
それではさっそく始めていきます。
価格競争とは?
売り手同士で価格を下げ合う
価格競争は供給( 売り手 )が需要( 買い手 )を上回っている時に起こります。
売り手が余っているので、自分の商品を売るために価格を下げるのです。
そうすると他の売り手も価格を下げて対抗します。
こうなると価格の下げ合いで商品を販売しようと価格競争に陥ります。
本来、価格で勝負せずとも、
- 商品に付加価値をつける。
- 販売ページを工夫する。
というような戦略を取れます。
ですが、前者はせどりの特性上不可能として、後者もアマゾンでは行えません。
なぜアマゾンでは行えないのか?
次章で詳しく解説します。
なぜアマゾンで価格競争が起こるのか?
アマゾンで著しく価格競争が起こるのはアマゾンのシステムが原因です。
理由① アマゾンは”出店型”のモールではなく”出品型”のモール
- 出店型ECモール ⇒ ECモールにそれぞれ店舗を構えて商品を販売。
- 出品型ECモール ⇒1つのショップに出品者が商品を販売。
出店型のモールは出品者ごとに店舗を構えて商品を販売するのでお店の色で勝負することができます。
イオンやららぽーとなどのショッピングモールをイメージしてもらえるとわかりやすいですね。
出品型のモールはスーパーやコンビニを思い浮かべてください。
システムは違いますが、仮にスーパーに並んでいる同じ商品でも仕入れ先が違うとしましょう。
基本的に一番前から買うし、どこの業者から仕入れてるか気にしませんよね。
このようにアマゾンは大きなスーパーマーケットで商品ごとに出品者が複数いるとイメージしましょう。
なので、出店型のモールと違い出品型のモールはモロに競合と戦わないといけないことになります。
そして、その戦う方法で一番大きい要因が価格なので価格競争が起こってしまうのです。
理由② カートを取れないと商品が売れない
アマゾンにはカートシステムというものがありカートを獲得しないと商品が売れません。
そのためこのカートを獲得するために出品者同士が争います。
カートボックスに関してはこちらで詳しく解説しております。
理由③ カート獲得するには最安値であることが必須条件
理由②で述べたカートボックスを獲得するためには、
- 評価数
- 販売期間
- 在庫数
- プライム発送
- 価格
などの要因があります。
しかし、この中で圧倒的にカートボックス獲得に影響があるのが価格なのです。
最安値に近いほどカートボックスを獲得しやすくなります。
というか最安値じゃないとほぼカートボックスは獲得できません。
なので、出品者はカートボックスを獲得するために最安値を狙い、そして価格競争に陥るのです。
大事なのは、価格を下げれば売れるのではなく、カートボックスを獲得できれば売れるということです。
そしてカートボックスは最安値付近の出品者でグルグルと不定期に回ってくるのです。
しかし、カートボックスは出品者1人が独占していると勘違いしている出品者が多数いるため、わざわざ価格を下げ合っているのが現状です。
理由④ 参入障壁が低い
参入障壁が低いとカートボックスの奪い合いでの価格競争に拍車をかけます。
参入障壁が低いと起こること
- 単純に競合数が増える
- 初心者が混ざり込む
単純に競合数が多くなって、カートボックスを奪い合う人数が増えます。
そして1番厄介なのが、初心者が混ざり込むということです。
さきほども言ったようにカートボックスのシステムを理解せず「カートボックスは出品者1人が独占していると勘違いしている」のは初心者です。
初心者は資金も少ないため、在庫を捌くのに敏感です。
それも相まって、価格競争が激化します。
無限ループ
①「商品を売りたいけど売れない!」
②「よし、カートを取るために価格を下げよう!」
③( 価格改定ツールにつられてみんな下がる )
④「あれ?ほかの人がカート取ってるな…。」
⑤「もっと下げよう!」
①~⑤の繰り返しです。
ここに資金がなかったりあまりキャッシュフローなどを理解せずに仕入れた初心者たちも参加してくるので悲惨なことになります。
価格競争避けるためには
アマゾンで価格競争を避ける方法は現状、存在しません。
しかし、対応策ならあります。
価格競争への対策
- 価格が下がる前に売り切る
- 価格が戻るまで待つ
- 競合が群がりそうな商品は避ける
- 競合が集まりにくい商品を仕入れる
- ヤフショなど他販路を充実させる
対策① 価格が下がる前に売り切る
対策①は価格下がる前に売り切ろうという考え方です。
ただ、これが原因で価格競争が起こっているのは言うまでもありませんね。
出品者が群がってしまって価格競争になった際は仕方ありませんが、できるだけこの対応をしなくていいよう下記で学んでください。
対策② 価格が戻るまで待つ
対策②は価格が戻るまで待とうという考え方です。
商品を赤字で売り続ける人はほとんどいません(一部変態がいますがそこはスルー)。
赤字で売り続ける人がいないということは、赤字で出品している人が減っていくのでどんどん価格が戻ってきます。
どこまで戻るはランキングや戻ってほしい価格までの出品者数・在庫数にもよるので正確なことは言えません。
ただ、しっかりと分析を行うことで損切りしてでも売った方がいいのか、価格が戻ってくるのかは判断できるようになります。
よくあるのが「自分が売ったあとに価格が上がった。」という現象。
この対策②をしっかり行うことでこのようなことはかなり少なくなりますよ。
ポイント
- ランキングは何位ぐらいか
- 売りたい価格まで何人出品者がいるか
- 売りたい価格まで在庫が何個あるか
- それらが売り切れるまでにどのぐらいかかりそうか
対策③競合が群がりそうな商品は避ける
対策➂は競合が群がりそうな商品を避けることです。
そもそも論ですが競合が群がる商品は価格競争が非常におきやすいですよね。
なので群がりそうな商品は極力避けるのも手です。
見込み利益を追ってなんでもかんでも仕入れるのではなく実際いくらで売れていくら利益ができるか想像するのが重要なので意識するようにしましょう。
競合が群がりそうな商品
- 全国一斉セール品
- 楽天スーパーセールなどEC特大セール
- 情報発信者が発信した商品
- ツイッターなどで拡散された商品
対策④ 競合が集まりにくい商品を仕入れる
対策③では群がりそうな商品を避けるということでしたが、対策④では競合が集まりにくい商品を仕入れようというお話です。
集まりにくい商品ってどんなものか?
群がる商品はわかりやすい商品でしたよね。
なのでわかりにくい商品を仕入れようということになります。
競合が集まりにくい商品
- 廃盤品
- 店舗独自の限定セール品
- 個人店などニッチな店舗の商品
- JANなしやセット商品
- 買占めできる量の商品
対策⑤ ヤフショなど他販路を充実させる
対策④、⑤は仕入れ部分のお話でしたが、対策⑤は販売部分、つまり出口戦略のお話になります。
他販路を持つメリット
- 在庫をさばくスピードが速くなる
- キャッシュフロー(資金繰り)がよくなる
- 無駄な価格競争を避けられる
- 販路によって色が違うので価格以外で勝負できる
他販路を持つ物理的なメリットは上記のとおりなのですが、もうひとつ重要なメリットが精神的な安心感。
「いつ価格競争がおこるかわからない」「いつ真贋調査がくるかわからない」
こんな不安から一気に開放されますよ。
主な他販路
- ヤフーショッピング
- 楽天市場
- Qoo10
- au PAY マーケット
- eBay
- メルカリ
- ヤフオク
ヤフーショッピングは出店料がかからないので特におすすめです。
商品ページでの差別化も行えるのでアマゾンで出したら売れる状態の人はいい勉強になると思います。
本来、我々は商売人なので販売することにもっと目を向けるべきなのです。
この際にぜひ他販路展開を考えてみてくださいね。
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メルカリ・ヤフオクも案外使えますので、時間があれば覗いてみると新たな発見があるかもしれませんよ。
また、ヤフーショッピングではクロスマというFBA在庫をヤフーショッピングで併売できるツールがあります。
これがあれば面倒な在庫管理や受注・発送業務をアマゾンに委託したままヤフーショッピングで販売できるのでぜひ取り入れましょう。
アマゾンで価格競争が起こる原因まとめ
いかがでしたでしょうか。
価格競争が起こるメカニズムから対策方法まで具体的に解説してきました。
価格競争が起こる原因
- アマゾンのシステムの問題
- アマゾンの参入障壁が低い
アマゾンのシステムや参入障壁に関しては我々いちせどらーではどうしようもないので、どう対策するかを考えましょう。
価格競争対策まとめ
- 価格競争が起こる前提で仕入れる
- 価格競争が起こりにくい商品を仕入れる
- 他販路展開を行う
上記は非常に重要なので必ず頭に叩き込んでください。
起こってしまったものは仕方ありません。
そこからどう次に生かすかが大事なんです。
しっかりと対策を行えば価格競争など怖くないので、対策はきちんとしましょう。
では。