コラム

せどりにおけるインボイス制度について考察してみた。

2021-11-10

まいど、しょーたです。

今回は僕が運営するコミュニティで質問があった「インボイス制度」について解説します。

解説するとは言っても、
僕は税理士ではないですし、税の専門家でもないです。

なので「インボイス制度の解説」自体はわかりやすい大河内薫先生の動画で学びましょう。
(この動画マジでわかりやすいのでオススメです。)

※先生の説明が上手くて面白いので、他の動画まで見て時間を潰すのは後にしてくださいね。笑

こちらの記事ではインボイス制度がせどりにどう影響し、
どう対応していけばいいかを考察していきます。

それではさっそく始めていきますね。

インボイス制度のせいで利益が減る?

ぶっちゃけまだわからん

よくツイッターで「インボイス制度のせいでせどりオワコン」など騒がれてますね。

コミュニティではこんな質問がありました。

インボイス制度の影響について教えてください。自分は今年開業届け提出しており現在は免税事業者にあたると思います。楽天仕入れAmazon売りがメインですが、法人からの売上げは多少落ちると思いますが、免税事業者のままでいいのかな?と思ってますがどうなんでしょうか?また楽天仕入れの際も何か変わりますか?

ズバリ言いますと、まだわかりません。

え...!?!?

まぁまぁ話を聞いてください笑

というのもインボイス制度見ていくときに2つの側面があるんですよね。

それは我々が商品を、

『販売する立場』

と、

『仕入れる立場』

の2つの側面です。

これだけ抑えとけ!インボイス制度

ここまでサクっと読んじゃった方は、インボイス制度の解説動画を見ていないかもしれません。

なので、インボイス制度についてこれだけ抑えとけってキーワードをまとめます。

『適格請求書』

はい、これだけです。

インボイス制度でこの「適格請求書」というものが登場しました。

そしてこの請求書は課税対象事業者じゃないと発行できません。

課税対象事業者とは?

課税対象事業者は、消費税をお国に納めなければいけません。
消費税は商品を販売した金額に含めれています。

ですが、
前々年度の(課税)売上が1000万以下の場合
消費税の納付が免除されます。

つまり開業して2年間は無条件で消費税の免税が約束されるのです。
※ただし、申請することで免除期間でも課税対象事業者になることができます。

ずばりインボイス制度うんぬんの論点はこの「課税対象事業者になるかならないか」ということです。

適格請求書がないと、

「仕入れたときに払った消費税」をまた払わないといけない。

ということになります。

どういうことかというと、

2200円(内税200円)で商品を仕入れて、5500円(内税500円)で販売する場合、3300円の利益となります。

内税の300円(500円-200円)が残ってるので、これをお国に納めないといけません。

式で表すと、
【5500円の中の消費税"500円"】-【2200円の中の消費税"200円"】
つまり300円の消費税が残っているということです。

自分のところに残った消費税を、お国に納めるわけですね。

そして2200円の内税である200円は「仕入れ先」が我々から預かった消費税なので、それをお国に納めます。

つまり我々が国に直接納めるのは300円ですが、
間接的に200円払ってるのでトータル500円支払ってるわけです。

ここまでは大丈夫ですか?

この間接的にすでに支払ってるという認識が非常に大事です。

まぁ課税対象事業者じゃなければ、まだ馴染みのないことですね。

じゃあ適格請求書がないとどうなるの?といえば、

この2200円で仕入れたときに「200円」消費税を支払ったことにならないんです。

支払ったことにならないというか、それが証明できない感じですね。

つまり2200円で商品を仕入れて、5500円(内税500円)で販売する場合、

5500円で商品を販売しても2200円の中に消費税がないので、

お国に納める消費税は、

【5500円の中の消費税"500円"】-【2200円の中の消費税"0円"】

つまり500円ということになります。

ということは...

我々はすでに2200円のうち200円の消費税を支払っているにも関わらず、

500円を直接納めなければいけないので、
トータル700円消費税を支払っていることになります。

よく見るのは、「300円の納税が500円の納税に増えた!!」というものですが、どちらも増えた額に変わりはないので、あまり気にしないでください。より消費税の本質に踏み込んだのがこちらの解説になります。

つまりザックリ言うと適格請求書とは、

「消費税を支払った証明書」になります。

預かった消費税から、支払った消費税を引き、
その差額をお国に納める。

これが消費税の考え方です。

ちょっと待った!!


【実際の消費税の計算方法】

実際に消費税を計算する際は、売買のひとつひとつの消費税計算をすると頭がおかしくなるので、

課税売上高-仕入控除税額(つまり仕入れ額)÷(1+税率)×税率

で求めます。
※課税売上高とは、消費税が含まれた売上高のことです。保険や有価証券、土地など消費税を含まない売上があるためこのような言い方をします。

適格請求書とはこの仕入控除税額を計上する際に必要な書類となります。

ただ、上記の考え方だと「仕入れる際に間接的に消費税を払っている」ということがすっぽり抜けがちです。
このことがインボイス制度の理解、ましてや消費税の理解を妨げていると考えたので文中では本来の考え方を示しました。

ではこの適格請求書がさきほどいった2つの立場に、
どう影響するのか見ていきましょう。

商品を販売する立場から見たインボイス制度

商品を販売する立場つまり「請求書を発行する立場」では、

相手が適格請求書を必要としているか?

がキモとなります。

この論点での回答はシンプルになります。

toBか?toCか?

販売先が消費者(toC)なのであれば、
特に気にする必要はありません。

消費者はお国に消費税を直接納めるわけではないので、
「消費税を支払った証明書」は必要ないですよね。

ではどの場合が必要でしょうか?

ズバリ販売先が事業者(toB)の場合です。

仕入れにしろ、事務用品などの経費にしろ、
消費税を納める立場にある人たちに商品を販売するときです。

アマゾンや楽天で販売している場合は特に困ることはないと思います。

後述しますが、アマゾンや楽天の領収書や請求書が適格請求書に適応してなければ、
商用目的が多い商品(事務用品など)をメインに扱ってる場合は都合が変わるかもしれません。

ですが、基本的にtoCのプラットフォームなのでそこまで気にする必要はないでしょう。

なので考えるべきは、
直接toBの取引をしているかどうかです。

そして、

『toBで出る利益』と、

『課税対象事業者にならない恩恵(消費税の支払い免除)』

を天秤にかけるべきですね。

どちらかを選択することで、目先の利益は減少してしまう可能性もありますが、
大事なのは選べる中から「最善の一手」を選択することです。

どちらの方がこれから利益が出せるか考える。

あれこれ考えるよりいたってシンプルですよね。

商品を仕入れる立場から見たインボイス制度

まだわからないのはこちら側。

商品を仕入れる立場つまり「請求書を発行してもらう立場」では、

相手が適格請求書を発行してくれるか?

がキモになります。

でもこれってはっきり言って「まだわからない」んですよね。

アマゾンや楽天や実店舗で、

「適格請求書を発行してください!!」

と言ってもまずしてくれる未来は見えません。笑

「お前ら転売する気か?」と思われるのがオチです。

なので、適格請求書のフォーマットに適応した領収書や請求書がデフォルトであることを願うしかないんです。

※実店舗なら癒着、ネットでも交渉次第ではなんとかなるかもしれませんが、再現性が低いのでここでは触れません。

とは言っても世の中のせどりをする人より、
事務用品などの経費計上として「適格請求書」がほしい人の方が圧倒的に多いんですけどね。

ただ、こいつ転売してるな...ってのは結構気づかれます。笑

ここを憶測であーだこーだ話すのは勝手ですが、
先の進まない議論をしても無意味。

なので、予想できる2軸で考えていきます。

▪︎適格請求書が発行できた場合
▪︎適格請求書が発行できなかった場合

の2軸ですね。

適格請求書が発行できた場合

これはもう言うまでもないですね。

ただただこれまでどおりに仕入れを行えばOK。

適格請求書が発行できなかった場合

ややこしいのはこちらですよね。
この場合はもうどうしようもありません。

売上の10%は消費税でもっていかれると覚悟しましょう。

とは言ってもすべての仕入れ先が「発行できない」とは考えにくいです。

転売ではなくリアルに経費計上したい場合も多くあるので、
そのケースごとに手続きを毎回行うのかというのははなはだ疑問。

なので適応してるかどうかわかってからやることは、
▼適格請求書を発行できる店舗
▼適格請求書を発行できない店舗

をリスト化し、仕入れ先の優先順位をつけることです。

逆に発行できない店舗は「競合が減る」とも考えられます。

チャンスはピンチでもあるので、常に視野を広げておくといいですね。

今からできるインボイス制度への戦略

ここで話が終わってしまうと何にもならないので、
これからどう考えていくべきかをお話しします。

多くの店舗が請求書を発行できた場合、
特に困ることはないでしょう。

なので、多くの店舗で請求書が発行できなかった場合のことを考えます。

課税対象事業者になる前に死ぬほど稼ぐ

死ぬほどと言うのはちょっ語弊があるかもしれませんが、課税対象事業者になった時点でせどりをやめる気持ちで、ビジネスを組み立てるということです。

ザックリ言うと、

せどりは資金作りとして割り切れ。

ってことですね。

物販をやるなら卸やメーカーを攻めたり、OEMなどの自社開発に向かうのもアリ。

資金が必要なビジネスを先に見据えて、組み立ていくことで「インボイス制度なんて気にしいいスタンス」を取れば何も怖くありません。

そもそもせどりをずっとしたい人は少ないと思います。

物販にこだわらないくても、飲食店をやってみたり、
整体を開いてみたり何でもできますよね。

せどりにこだわらないというのも、
一つの選択肢であることは覚えておきましょう。

方向性を変える

今やってる手法と方向性を変えるというのも一つの手でしょう。

現在利益率が低いモデルの手法を行なっているなら、

今から利益率が高い手法にもリソースを割いておく。

完全に移行するわけではなく、少しずつやればいいです。

ぶっちゃけこれが最適解かなと。

・投資
・寝かし
・刈取り
・中古
・ジャンク
・店舗…etc

考えられることはたくさんありますよね。

なるもんはなるんで仕方ないんですよ。

大事なのはみんな同じ状況だということ。

先に動いた方が勝てます。

せどりで優位性を確立するのはなかなか難しいですが、
資金面だったり販売チャネルの強さだったり、

優位性を築けるところは考えれば出てきますよね。

そして前述したように、
やりにくくなるからこそやりやすくなる場合もあります。

「〇〇になったらどうしよう。」

ではなく、

「〇〇になるかもしれないから、
これからどうすべきか?」

と考えるクセをつけていきましょうね!

ここで一つ注意点。

みんなが同じ状況なら、価格は上がるのではないか?

と考える人も多く出てくると思います。

ですが、せどりがそもそも市場の歪みで成り立ってる以上、
この制度の動きは市場の歪みが矯正されていると考えた方が無難です。

もし価格が一定水準で上がればそれはそれでOK。

予測を立てるときは楽観的なものだと確実に失敗します。

悲観的とは言わないまでも、

「こうなったらいいな」という主観は抜きにして、
現実ベースで客観的に考えるといいです。

このあたりはせどりと少しズレるところがあるので、
あまり当記事では深掘りしませんが、気をつけてくださいね。

インボイス制度についての考察まとめ

いかがでしたでしょうか。

Twitterなどで発信者が議論をかましたり、
不安を煽ったりしているのをよく見ます。

ですが、現状で考えられることは、この記事にすべて記載しました。

そして『販売側での立場』と『仕入れる側』の立場では、
論点が違うことも再認識しておきましょう。

見通しが悪く不安になる気持ちも大いにわかります。

ですが、なるようにしかならないのも事実。

考えれることだけ考えていて、そして「今」できることに集中しましょうね。

それではまた。

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" 戦略的なビジネス展開を。"
せどりでずっと稼ぐのではなく、せどりで稼いだお金で、どうビジネスを展開していくかが重要。

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【座右の銘】
三度の飯より、戦略。

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